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2008年01月17日

メタボリックシンドロームと心臓病

    

 

小倉記念病院
循環器科部長(当院非常勤内科医)
岩淵成志(内臓脂肪症候群)

 

 

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪の蓄積により心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの
生活習慣病になりやすい状態をいいます。生活習慣病と呼ばれている主な疾患には「肥満症」「高血圧」「糖尿病」
「高脂血症」などがありますが、それぞれは独立したものではなく肥満、とくに「内臓脂肪型肥満」が原因であることがわかっています。
内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態がメタボリックシンドロームと呼ばれ、
健康の指標として最近注目されているのを新聞・テレビなどで見聞きする機会が多いでしょう。具体的には男性では
腹囲が85センチ以上、女性では90センチ以上で、かつ、高脂血症、高血糖、高血圧の3つのうちの2つがあれば
メタボリックシンドロームと診断されます。
メタボリックシンドロームは動脈硬化を進行させ、生活習慣病としての心臓病である狭心症・心筋梗塞の原因となります。
もちろん予防が最も重要ですが、動脈硬化が一旦進行してしまったら早期発見早期治療が必要です。
欧米では死因の第1位が心臓病であり、市民の関心は非常に高く早期発見のための健康診断や人間ドックがかなりされていますが、
日本人は心臓病に対して欧米ほど関心が高くないような気がします。たしかに日本人の死因の第1位は癌で第2位は脳卒中、第3位が心臓病です。
しかし、癌は肺、肝臓、胃などいろいろな部位の癌がありますので、部位別に死亡原因を調査すると心臓病は第2位になります。
ですから、日本人も心臓病の早期発見早期治療はきわめて重要です。早期発見には健康診断、心臓病ドック、
心臓病専門である循環器科での外来検査のいずれかになると思います。狭心症・心筋梗塞の検査は、心電図、胸部写真、運動負荷心電図
(運動しながら心電図をとること)、心臓超音波検査(超音波をあてて心臓の動きや弁膜症の有無などを検査すること)、
冠動脈CT(最新型のCT器械では冠動脈の描出が可能です)、心臓カテーテル検査(心臓までカテーテルをいれて検査するもっとも精密な検査)
などがありますが、現在は入院しなくても外来でほとんどの検査が可能となりました。
もちろん重症であったり高齢であったりした場合は入院での検査のほうがよい場合もあります。
平成19年4月より毎週月曜日と木曜日の内科外来をわれわれ小倉記念病院循環器科の専門医師が担当するようになりました。
三菱化学病院でも前述したような検査の大部分が可能ですので、狭心症・心筋梗塞の心配がある方は、循環器科医師担当の外来を
受診していただきたいと思います。より専門的な検査が必要な場合には小倉記念病院を紹介いたしますが、そのような場合でもわれわれが
三菱化学病院から小倉記念病院循環器科の専門外来や専門的な検査を直接予約しますので、待ち時間がほとんどなく小倉記念病院循環器科の
受診が可能です。小倉記念病院で専門的な検査・治療をして病気が治ったあとは、また三菱化学病院の外来での投薬加療ということになりますので、
通院がしやすい地元の病院で治療継続ができます。
われわれ小倉記念病院循環器科は狭心症・心筋梗塞の治療件数は長年日本1位の実績をもっており、その経験を八幡地区の患者様にも
提供できることをうれしく思っておりますので今後ともよろしくお願いいたします。

 

 
   

2008年11月20日

睡眠時無呼吸症候群について

三菱化学病院・内科医師
浜田 秀孝

スリーマイル島原発事故やチャレンジャー号の爆発などの原因であると
いわれている睡眠障害による社会的損害は非常に大きく、その損害額を
米政府が試算し年間約1億ドルという報告があります。
日本でも新幹線の居眠り運転の原因として睡眠時無呼吸症候群(SAS)
がにわかに脚光を浴びました。SASの原因として睡眠中の気道の閉塞
(閉塞性無呼吸症候群:OSAS)、呼吸自体の停止(中枢性無呼吸症候
群:CSAS)があります。OSASは肥満の人はもちろんですが、やせてい
ても扁桃(へんとう)の肥大した人、小顎の人でもなることがあり、CSAS
は重度の脳血管障害のある人、心不全の人がなることがあります。SAS
の第一の弊害は、眠気が慢性的にあるため仕事の効率が落ち、程度の
差こそあれ事故につながり得るということです。内科的にもOSASの重症
度と脳心血管事故との相関が明らかになり、その原因として交感神経の
亢進(こうしん)(注1)、耐糖能異常(注2)、血液凝固能の亢進(注3)、頚
動脈内膜中膜の肥厚(注4)、不整脈、その他が指摘されています。治療
により日中の眠気が軽減し「元気になった」という患者さんの声をよく聞き
ます。先述の耐糖能異常、血液凝固能の亢進なども治療により改善する
報告や、脳心血管事故を減少させた報告もあります。
三菱化学病院でもこの6月からSAS診療を行っております。下の表で11
点以上の人はSASが疑われますので、当院で検査を受けられて下さい。
脳波と呼吸状態をモニターし、睡眠と呼吸の関係を見ます。睡眠時の検
査ですので、仕事後に入院し起床後に退院することができるため、仕事
を休まないことも可能です。入院費用は3割負担で約28,000円、1割
負担で約13,000円です。あなたが忘れていた良眠を取り戻せるかもし
れません。

■申し込み
  三菱化学病院 内科外来
  電話093−643−2632

注1:交感神経がたかぶり血圧上昇の原因となる。
注2:糖尿病前状態。
注3:血栓が形成されやすくなること。
注4:動脈は3層から構成され、内から内膜、中膜、外膜という。
   内膜中膜の肥厚は動脈硬化の現れであり、頚動脈硬化と
     心臓の栄養血管である冠動脈の硬化は相関があり、これ
   らの動脈硬化の進行は、脳心血管事故のリスクを高める。

あなたの最近の生活の中で、次の様な状況に
なると、眠ってしまうかどうかを数字でお答えく
ださい。質問のような状況がなければ、もしその
状況になればどうなるかを想像してお答えくだ
さい。

0 = 眠ってしまうことはない
1 = 時に眠ってしまう(軽度)
2 = しばしば眠ってしまう(中等度)
3 = ほとんど眠ってしまう(高度)


1.座って読書中            0.1.2.3
2.テレビを見ている時         0.1.2.3
3.会議、劇場などで積極的に
  発言などせずに座っているとき  0.1.2.3
4.乗客として1時間続けて、車に
  乗っている時             0.1.2.3
5.午後に横になることがあると
  すれば、その時           0.1.2.3
6.座って人と話をしている時     0.1.2.3
7.アルコールを飲まずに昼食を
  とった後に、静かに座っている時 0.1.2.3
8.自動車を運転中に信号や交通
  渋滞などにより数分間止まった時 0.1.2.3